ピラティスは、ハリウッドセレブのボディコンディショニングとしてアメリカから広まりました。ヨガとピラティスは似ているところもあり、同じように捉えている人も多いのですが、一番の違いは、「ピラティスが美しい姿勢へ整えながら、お腹周りのシェイプアップ効果が高いこと!」です。ここでは、ピラティスの成り立ちからご紹介していきましょう。
ピラティスって?
ピラティスとは、そもそも人の名前なんです。ドイツ人のジョセフ・H・ピラティスが、幼少期の病弱な身体を改善するために考案したもの。さまざまな研究から自身を強靭な身体へと鍛え、独自のメソッドを作り上げていきました。
さらに第一次世界大戦中、ピラティスは負傷兵の看護にあたります。寝たままリハビリできるリフォーマーなどのマシンを開発し、1926年ピラティスは渡米しスタジオを設立します。身体に負担をかけず、強くしなやかな筋肉を鍛えるエクササイズとして、ニューヨークのダンサーに受け入れられ発展していきます。
ピラティスは、このメソッドを「コントロロジー」(身体を完全にコントロールする意識を身につけるということ)と名付けました。1967年、ピラティスが亡くなってから、弟子たちによって「ピラティス」と呼ばれるようになったのです。
ボディアライメントが大事!
ピラティスで最も注目すべきは、正しい姿勢をつくる「ボディアライメント」。多くの人が身体にズレや歪みがあるため、いくら身体にいいエクササイズでも、そのまま行ってしまうとさらなる歪みやケガの原因にもつながります。ピラティスは、筋肉や骨などがきちんと正しい位置でエクササイズすることが大切だと教えています。
正しい姿勢とはどのような姿勢でしょうか? 足を腰幅に開いて立った姿勢を鏡で見てください。
正しい姿勢
【正面】
- 左右の耳、肩、腰骨、ひざの位置が水平
- 左右の腰骨(腸骨)と恥骨を結んだ骨盤の三角形が床と垂直
【側面】
- 耳の穴、肩、ひじ、腰骨、ひざ、くるぶしが一直線
- 背骨が適度なS字カーブ
悪い姿勢
【正面】
- 頭が傾いたり、肩や腰骨などの位置に左右差がある
- 内股、外股、O脚、X脚など
【側面】
- あごが出て、下腹が出て、猫背
- 下腹が出て、腰の反りがきつく、出っ尻
当てはまるものは、ありましたか?
左右前後の偏りのほか、斜めのねじれなど複雑な歪みもあります。自分で判断するのはなかなか難しいので、専門のパーソナルトレーナーにチェックしてもらうとよいでしょう。
ピラティスの効果
正しい姿勢が身につくことで、ふだん何気なく行っている偏ったクセや身体の使い方で招いた、骨格の歪みや筋肉のアンバランスの改善につながります。それは姿勢の美しさだけでなく、アンバランスが原因の頭痛や肩こり、腰痛、ひざの痛みといった身体の不調にもよい効果を発揮します。
また、ピラティスでは、コアの筋肉を意識します。身体の体幹部分の深層にあり、外側の筋肉と違って意識しにくいところ。身体をバランスよく使いながら、コアの筋肉を鍛えることで、内臓の動きがよくなり、内臓脂肪が燃えやすくなる効果もあります。
「ピラティスでやせた!」という、ダイエット効果もよく聞ききますが、それは猫背などの姿勢がよくなることも一つ。コアに働きかけることで、お腹周りがすっきり引き締まることも一つ。体重の増減よりも、よい姿勢とコアの筋肉の引き締めによるスタイルアップ効果でしょう。
ピラティス氏も、「10回で違いを感じ、20回で違いが目に見え、30回で身体のすべてが変わる」と言っているように、体重の変化にとらわれず、長いスパンで継続することが大事です。
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